○四万十町景観条例
平成20年8月28日条例第27号
四万十町景観条例
(目的)
第1条 この条例は、四万十町の豊かな自然と人々の暮らしの中で築かれた良好な景観を守り、育て、創って、未来へと引き継ぐために、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)及び景観行政団体が定める景観計画に基づき必要な事項を定め、四万十川流域の他の景観行政団体と協調して、自然的社会的諸条件に応じた施策を町民協働のもとに展開し、もって四万十川をはじめとした美しく風格のある良好な景観の形成に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 景観の形成 良好な景観を保全し、又は景観を創出することをいう。
(2) 廃棄物 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定するものをいう。
(3) 景観重点区域第一種地区、景観重点区域第二種地区及び景観一般区域 四万十町景観計画(法第8条第1項の規定により定める四万十町景観計画をいい、以下「景観計画」という。)に規定するものをいう。
2 その他の用語の定義は、法及び景観計画の例による。
(基本理念)
第3条 四万十町の良好な景観は、町民共有の財産として、現在及び将来の町民がその恩恵を享受できるよう、町、町民及び事業者の適切な役割分担と協働のもとに形成されなければならない。
(町長の責務)
第4条 町長は、前条の基本理念にのっとり、景観の形成に関する施策を定め、計画的に実施しなければならない。
2 町長は、景観の形成に関する施策の策定及び実施にあたっては、町民の意見を反映させるよう努めなければならない。
3 町長は、公共施設等の整備を行う場合には、景観の形成に先導的な役割を果たすよう努めなければならない。
4 町長は、町民及び事業者が景観の形成に積極的な役割を果たすことができるよう意識の高揚、知識の普及を図るなど必要な措置を講ずるものとする。
5 町長は、必要があると認めるときは、国、他の地方公共団体及び公共的団体に対し、景観の形成について協力を要請するものとする。
(町民及び事業者の責務)
第5条 町民及び事業者は、自らが景観の形成の主体であることを認識し、町が持つ地域特性に配慮し、積極的に景観の形成に寄与するよう努めなければならない。
2 町民及び事業者は、町長が実施する景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(景観計画の策定)
第6条 町長は、景観を総合的かつ計画的に推進するため、景観の形成に関する基本的な目標を明らかにするとともに、町民等と協力してその目標を実現するための指針となる景観計画を策定しなければならない。
2 町長は、景観計画を定めようとするときは、あらかじめ第20条に規定する四万十町景観協議会(以下「協議会」という。)及び四万十町都市計画審議会の意見を聴かなければならない。
3 町長は、景観計画を定めようとするときは、必要に応じて四万十町文化財保護審議会の意見を聴くものとする。
4 町長は、景観計画を定めたときは、これを告示しなければならない。
5 第2項から前項までの規定は、景観計画の変更について準用する。
(景観重点区域の指定)
第7条 町長は、景観計画区域のうち、重点的に景観の形成を図る必要があると認める区域を、景観重点区域として指定することができる。
2 町長は、景観重点区域を指定しようとするときは、あらかじめ当該区域の住民及び利害関係人の意見を聴くとともに、協議会の意見を聴かなければならない。
3 町長は、景観重点区域を指定しようとするときは、その旨を告示し、その案を当該告示の日から2週間公衆の縦覧に供さなければならない。
4 前項の規定による告示があったときは、当該区域の住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について、町長に意見書を提出することができる。
5 町長は、前項の規定により意見書が提出されたときは、その要旨を協議会に提出しなければならない。
6 町長は、景観重点区域を指定したときは、これを告示しなければならない。
7 第2項から前項までの規定は、景観重点区域の指定の変更について準用する。
(景観形成基準)
第8条 景観重点区域第一種地区、景観重点区域第二種地区及び景観一般区域ごとに景観形成基準(以下「基準」という。)を定めるものとする。
2 基準には、次に掲げる事項のうち必要な事項について定めるものとする。
(1) 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
(2) 盛土又は切土により土地の形状を変更すること。
(3) 建築物その他規則で定める工作物の新築、増築、改築、移転又は撤去をすること。
(4) 建築物の外観の模様替えで規則で定めるものをすること。
(5) 建築物その他第3号の工作物の色彩変更で規則で定めるものをすること。
(6) 森林(天然林及び植林)の樹木を伐採すること。
(7) 針葉樹(杉及び桧。以下同じ)を植樹すること。
(8) 屋外において土石又は廃棄物その他規則で定める物品を集積し、又は貯蔵すること。
(9) 看板、広告板、自動販売機等で、規則で定めるものを設置すること。
(10) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認めること。
3 前条第2項から第6項までの規定は、基準の策定及び変更について準用する。
(景観計画区域内の行為の届出)
第9条 景観計画区域内において、次の各号のいずれかに該当する行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめその内容を町長に届け出なければならない。
(1) 鉱物の掘採又は土石の採取
(2) 盛土又は切土による土地の形状の変更
(3) 建築物の新築、増築、改築、移転又は撤去
(4) 建築物の模様替え又は屋根若しくは外壁面の過半にわたる色彩の変更
(5) 工作物の新設、増築、改築、移転又は撤去
(6) 工作物の模様替え又は外観の過半にわたる色彩の変更
(7) 樹木の伐採又は針葉樹の植樹
(8) 屋外における土石又は廃棄物の集積若しくは貯蔵する行為
(9) 看板、広告板、自動販売機等の設置又は外観の過半にわたる色彩の変更
(10) その他、景観の形成に影響を与える行為で町長が必要と認めるもの
(届出を要しない行為)
第10条 前条の規定は、次に掲げる行為については適用しない。
(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの
(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(3) 景観重要建造物について、法第22条第1項の規定による許可を受けて行う行為
(4) 景観計画に法第8条第2項第4号ロに掲げる事項が定められた景観重要公共施設の整備として行う行為
(5) 景観重要公共施設について、法第8条第2項第4号ハ(1)から(6)までに規定する許可(景観計画にその基準が定められているものに限る。)を受けて行う行為
(7) 景観計画に定める景観重点区域第二種地区で別表2に掲げる規模の行為
(8) 景観計画に定める景観一般区域で別表3に掲げる規模の行為
(9) その他町長が認めるもの
一部改正〔平成24年条例13号〕
(基準の遵守)
第11条 景観計画区域内において、第9条に掲げる各号のいずれかに該当する行為をしようとする者は、当該行為が当該区域に係る基準に適合するよう努めなければならない。
(勧告)
第12条 町長は、第9条の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。
2 前項の勧告は、第9条の規定による届出のあった日から30日以内にしなければならない。
3 前各項の規定にかかわらず、国の機関又は地方公共団体が行う行為については、第9条の届出をすることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、同項の届出を要する行為をしようとするときは、あらかじめ、町長にその旨を通知しなければならない。
(特定届出対象行為)
第13条 町長は、良好な景観の形成のために必要があると認めるときは、次の各号に定める特定届出対象行為について、景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合しないものをしようとする者又はした者に対し、当該制限に適合させるため必要な限度において、当該行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができる。この場合においては、前条第1項の規定は、適用しないものとする。
(1) 法第16条第1項第1号に定める建築物の建築等
(2) 法第16条第1項第2号に定める工作物の建設等
2 前項の規定による制限に関する技術的細目は、規則で定める。
(景観重要建造物の指定)
第14条 町長は、景観計画に定められた景観重要建造物の指定の方針に即し、景観計画区域内の良好な景観の形成に重要な建造物景観の形成に重要な価値があると認める建築物等を景観建築物等(以下「景観重要建造物」という。)として指定することができる。
2 町長は、景観重要建造物を指定しようとするときは、あらかじめ協議会の意見を聴くとともに、規則で定めるところにより、当該所有者等の同意を得なければならない。
3 景観計画区域内の建造物の所有者は、町長に対し、景観重要建造物として指定することを提案することができる。この場合において、当該建造物に当該提案に係る所有者以外の所有者がいるときは、あらかじめ、その全員の合意を得なければならない。
4 町長は、景観重要建造物を指定したときは、当該景観重要建造物の名称、所在地、所有者等その他必要な事項を告示するとともに、管理上の修繕、防災上の措置、定期点検の内容等の管理の方法の基準及びその財政的な支援措置等について規則で定めるところにより、その所有者等に通知するものとする。
5 町長は、第1項の規定により、景観重要建造物を指定したときは、これを表示する標識を設置しなければならない。
(指定の解除)
第15条 町長は、景観重要建造物が朽廃、滅失等により景観の形成上の価値を失ったと認めたとき、その他特別の理由があると認めたときは、景観重要建造物の指定を解除することができる。
2 景観重要建造物が、文化財保護法(昭和25年法律第214号)その他の法令の規定により文化財等に指定されたときは、当該景観重要建造物の指定は解除されたものとする。
3 前条第2項から第4項までの規定は、景観重要建造物の指定の解除について準用する。
(景観重要建造物の所有者の管理義務等)
第16条 景観重要建造物の所有者等は、その良好な景観が損なわれないよう適切に管理しなければならない。
2 町長は、景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として次のとおり定める。
(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の概観を変更することのないようにすること。
(2) 景観重要建造物の焼失を防ぐため、その敷地、構造又は建築設備の状況を定期的に点検し、消火機材の設置、その他の景観重要建造物の防災上の措置を講ずること。
(現状変更等の届出)
第17条 景観重要建造物の所有者等は、当該景観重要建造物の現状を変更し、又は当該景観重要建造物に係る所有権その他の権原を移転しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を町長に届け出なければならない。ただし、通常の管理行為若しくは軽易な行為又は災害等のため必要な応急措置として行う行為で、景観の形成に支障を及ぼすおそれがないものについては、この限りでない。
(助言及び指導)
第18条 町長は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為により景観重要建造物の景観の形成上の価値が損なわれるおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し、景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。
(景観重要樹木の指定等)
第19条 第14条から第18条までの景観重要建造物に関する規定は、「景観重要建造物」を「景観重要樹木」と読み替えて景観重要樹木の指定等に準用する。ただし、第16条第2項の景観重要樹木の管理の方法の基準は次のとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の焼失、枯死などを防ぐため、病害虫の駆除、その他の処置を行うこと。
(景観協議会)
第20条 良好な景観の形成に関する重要な事項を調査審議するため、四万十町景観協議会を置く。
2 協議会は、町長の諮問に応じ、良好な景観の形成に必要な事項を調査し、及び審議し、並びに良好な景観の形成に関する事項について町長に意見を述べることができる。
3 協議会は、委員10人をもって組織する。
4 協議会は、学識経験を有する者のうちから、町長が委嘱する。
5 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 前各項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(委任)
第21条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成20年9月1日から施行する。
附 則(平成24年3月21日条例第13号)
この条例は、平成24年4月1日から施行する。
別表1(第10条第6号関係)

景観重点区域第一種地区(届出を要しない行為の規模)

鉱物の掘採又は土石の採取

鉱物を掘採し、又は土石を採取する行為で面積10平方メートル未満かつ高さ1.5メートル以下のもの

盛土又は切土による土地の形状変更

盛土又は切土により土地の形状を変更する行為で面積100平方メートル未満のもの

建築物の新築、増築、改築、移転又は撤去

建築物の建築等で面積100平方メートル未満かつ高さ10メートル以下のもの

建築物の外観の模様替え又は色彩の変更

行為面積が10平方メートル未満のもの

マンセル値10未満のもの

工作物の新設、増築、改築、移転又は撤去

工作物(建築物を除く。以下同じ。)の建設等で面積10平方メートル未満かつ高さ1.5メートル以下のもの

工作物の外観の模様替え又は色彩の変更

行為面積が10平方メートル未満のもの

マンセル値10未満のもの

森林(天然林及び植林)の伐採

樹木を伐採する行為で天然林は面積100平方メートル未満、植林は面積1万平方メートル未満のもの

針葉樹の植樹

針葉樹を植樹する行為で面積100平方メートル未満のもの

屋外における土石又は廃棄物の集積若しくは貯蔵する行為

屋外において土石又は廃棄物を集積し、若しくは貯蔵する行為で面積10平方メートル未満かつ高さ1.5メートル以下のもの

看板、広告板の設置又は色彩の変更

看板又は屋外広告物の設置で一辺が4メートル以下かつ表示可能面積が4平方メートル以下のものマンセル値10未満のもの

自動販売機等の設置又は色彩の変更

マンセル値10未満のもの

別表2(第10条第7号関係)

景観重点区域第二種地区(届出を要しない行為の規模)

鉱物の掘採又は土石の採取

鉱物を掘採し、又は土石を採取する行為で面積1,000平方メートル未満かつ高さ3メートル以下のもの

盛土又は切土による土地の形状変更

盛土又は切土により土地の形状を変更する行為で面積1,000平方メートル未満のもの

建築物の新築、増築、改築、移転又は撤去

建築物の建築で面積100平方メートル未満かつ高さ10メートル以下のもの

建築物の外観の模様替え又は色彩の変更

行為面積が10平方メートル未満のもの

マンセル値10未満のもの

工作物の新設、増築、改築、移転又は撤去

工作物の建設等で面積1,000平方メートル未満かつ高さ5メートル以下のもの

工作物の外観の模様替え又は色彩の変更

行為面積が10平方メートル未満のもの

マンセル値10未満のもの

森林(天然林及び植林)の伐採

樹木を伐採する行為で面積1万平方メートル未満のもの

屋外における土石又は廃棄物の集積若しくは貯蔵する行為

屋外において土石又は廃棄物を集積し、若しくは貯蔵する行為で面積1,000平方メートル未満かつ高さ3メートル以下のもの

看板、広告板の設置又は色彩の変更

看板又は屋外広告物の設置で一辺が4メートル以下かつ表示可能面積が4平方メートル以下のものマンセル値10未満のもの

自動販売機等の設置又は色彩の変更

マンセル値10未満のもの

別表3(第10条第8号関係)

景観一般区域(届出を要しない行為の規模)

鉱物の掘採又は土石の採取

鉱物を掘採し、又は土石を採取する行為で面積1万平方メートル未満のもの

盛土又は切土による土地の形状変更

盛土又は切土により土地の形状を変更する行為で面積1万平方メートル未満のもの

建築物の新築、増築、改築、移転又は撤去

建築物の建築等で面積200平方メートル未満かつ高さ10メートル以下のもの

建築物の外観の模様替え又は色彩の変更

行為面積が10平方メートル未満のもの

マンセル値10未満のもの

工作物の新設、増築、改築、移転又は撤去

工作物の建設等で面積1,000平方メートル未満かつ高さ5メートル以下のもの

工作物の外観の模様替え又は色彩の変更

行為面積が10平方メートル未満のもの

マンセル値10未満のもの

森林(天然林及び植林)の伐採

樹木を伐採する行為で面積1万平方メートル未満のもの

屋外における土石又は廃棄物の集積若しくは貯蔵する行為

屋外において土石又は廃棄物を集積し、若しくは貯蔵する行為で面積1,000平方メートル未満かつ高さ3メートル以下のもの

看板、広告板の設置又は色彩の変更

看板又は屋外広告物の設置で一辺が4メートル以下かつ表示可能面積が4平方メートル以下のものマンセル値10未満のもの

自動販売機等の設置又は色彩の変更

マンセル値10未満のもの