学校長あいさつ

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小室の浜

 明治7年(1874)興津村修道学舎から始まる興津小学校の歴史は、令和6年(2024)3月末日を持って150年の歴史に幕を下ろします。その間、興津尋常小学校、興津国民学校、興津小学校と名前を変えながら、それぞれの時代を担う子どもたちが巣立っていきました。
 興津小学校の歴史を振り返ると、昭和55年にはむし歯予防推進指定校(文部省)を受け、昭和58年歯科保健優良校を受賞(県学校歯科医師会)、昭和63年全国健康優良学校優秀校を受賞しています。
 平成2年からは海亀のふ化に取組みました。平成31年に人工ふ化が雌雄決定に影響することが分かり中止しましたが、海亀の卵の保護と小室の浜清掃は閉校まで続きました。
 平成17年には文科省の興津地域ぐるみ学校安全体制整備推進委員会(防災分野)の地域指定を受け、地域と共に歩む防災教育が始まりました。平成19年には、午前中に第2回防災炊き出し訓練を実施し、午後は第1回興津地域防災シンポジュウムを開催しています。シンポジュウムには200名の地域の方が集まり、コーディネーターを高知大学岡村 眞教授にお願いし、シンポジストとして町長と地域代表、保育所保護者会長、興津小児童代表、興津中生徒代表が発言しました。その中で、6年生が取組んだ興津防災マップ作成の過程で、興津保育所とデイサービスさくら貝が海岸部にあることの危険性に気付いたことを指摘し、町長より平成21年度の保育所移転完了が正式に表明されました。また、海抜高度シール貼りや避難場所巡りなどの地域防災に関わっていく児童の主体的な学習は、教室にとどまらず地域や行政への働きかけをする体験として「生きる力」の育成につながったように感じます。平成20年には防災担当大臣賞(小学生ぼうさい探検隊マップコンクール)、平成22年総理大臣表彰(安全教育の普及等について)、『1.17防災未来賞『ぼうさい甲子園』では平成21年ぼうさい大賞、令和2年優秀賞、令和3・4年URレジリエンス賞、令和5年には2度目のぼうさい大賞を受賞しています。この間、興津地域では避難場所整備、避難タワーの建設をはじめ、防災力が強化されました。学校と地域代表が同席する「ぐるみの会」に参加させていただいたことを嬉しく思います。
 さて、令和5年の児童数は18名ですが、昭和33年の児童数は483名です。平成2年の入学案内文書によると「学問運動共に高南台地に覇を称え中規模校ながら勇名をとどろかしていた」と紹介されており、児童数は80名でした。平成8年には4・5年、平成9年には2・3年と4・5年が複式学級となり児童数は40名でした。そして、平成28年には児童数は24名となりました。このような状況で、学校統合に関する興津小・中PTAによる協議・アンケートが行われ、平成30年には第2期四万十町小中学校適正配置計画(素案)が示されることとなりました。そこで本校では、学校統合までに東又小学校との交流学習を通して興津小学校では経験できない人間関係づくりや集団生活に対応できる力をつけること、統合によってスムーズに中学校生活に適応できる力を育んでいくことを目標としました。東又小学校の児童、教職員の皆さんには交流ごとに温かく迎えていただき、交流前後の児童からのアンケート結果をもとに改善を重ねてきました。子どもたちは不安を抱きながらも、新しい友達や新しい学校での生活に希望を持って臨んでくれることと思います。
 開校以来、多くの卒業生を輩出してまいりましたが、間もなく第4932号となる卒業生を中学校に、16名の新2年生から6年生を東又小学校に送り出し有終の美を飾ります。興津小学校を巣立った皆様には、ここで学んだことを誇りとし、かけがえのない思い出と「絆」を大切にしていただきたいです。
小中学校合同大運動会、保小合同大運動会など興津中学校・興津保育所との思い出、平成20年に全日本小学生男子ソフトボール大会に出場した少年ソフボールなどなど、思い出は尽きません。
興津小学校の教育を支えていただいた保護者、地域の皆様、関係者の皆様、閉校記念誌作成にあたり、貴重な写真や資料を提供していただいた皆様に深く感謝申し上げ、閉校にあたってのご挨拶とさせていただきます。


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