議会議事録
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24議案第24号 四万十町債権の管理等に関する条例制定
■議案第24号 四万十町債権の管理等に関する条例について
【要旨】
この条例は、町税を除いた町の債権の管理等に関する総括的な事項を規定しており、債権の回収及び整理を、総合的かつ計画的に推進するために必要な事項及び全庁統一的な債権管理ルールを定めたものです。
税外未収金の解消に向けては平成19年度より町税等滞納整理本部を設置して、検討協議しながら鋭意取組みを進めてきました。しかしながら、町税の滞納額については減少していますが、税外債権については、多くの債権で滞納額が増加しており、更なる対応が必要となっています。
このため、債権の管理・回収を、適正かつ合理的、効率的に行うため、各未収金において、実際に解消していく体制の整備と併せ、全庁統一的な債権の管理ルール等を規定した本条例を制定しようとするものです。
【条例の概要】
本条例は、町税(国保税含む。)以外の町の債権について、管理責任を明確にするとともに、町民の生活実態に即して強制執行や徴収緩和措置を適切に行使するなど、町の債権の管理の適正を期するために必要な事項を定めています。
町税(国保税含む。)以外の町の債権については、その性格により大きく3つに区分されますが、本条例では、保育料や介護保険料など、地方税の規定やそれに準ずる規定により町において滞納処分ができる「地方税の滞納処分の例により徴収できる債権」、自力で滞納処分ができない農業集落排水施設使用料など「その他公法上の債権」及び町営住宅使用料や学校給食費などの私法上の原因に基づき発生し、司法制度を活用して債権回収を図る「私法上の債権」に区分し、それぞれ的確に債権管理を行うための規定を定めています。
地方自治体の債権の管理に関しては、基本法規として地方税法や地方自治法、同法施行令等がありますが、それぞれの債権について根拠となる法令が違うことから、法律適用関係が複雑でわかりにくく、「国税又は地方税の滞納処分の例により徴収できる債権」「その他公法上の債権」「私法上の債権」に分類し、法令の条文を引用しつつ督促、滞納処分、強制執行、徴収停止、債権放棄等、債権管理の流れ、手続を明文化しています。
これにより、本町の税外債権の管理等に関する法的制度としての一元化、体系化を図り、税外債権の管理を関係各課において適正に行うものです。
【主な規定項目】
・ 町が保有する税外債権の管理等に関する事務処理について、法令等に特別の定めがある場合を除き、この条例によるものと規定
・ この条例の運用にあたり、町は納付遅滞の債務者に対する納付交渉を的確に行い、自主的な納付を督励するとともに、町が保有する債権を最大限保全し、納付の実現に向けて取り組まなければならないことを規定
・ 債権を適正に管理するための台帳の整備、町の債権として発生した納付金の請求を文書により告知、履行しないものに督促することを規定
・ 各債権と町税に関する情報の相互利用を規定
・ 町税に準じる債権については、法令の規定に基づき的確に管理することを規定
・ 滞納処分ができない公債権および私債権について、強制執行・徴収停止・納期限の延長等の地方自治法施行令の規定に基づき内容を改めて規定
・ 債務者が生活困窮状態で回復の見込みがないと認められるとき、破産法等の規定により債権について責任を免れたとき、消滅時効の期間が経過したとき等において、債権放棄ができる旨を規定
◆逐条説明
第1章 総則
1)条例の制定目的【第1条関係】
本条例を制定するにあたっての目的について規定しており、四万十町が保有する税金以外の債権の管理に関する事務の処理について必要な事項を定めることにより、その債権の管理の適正化を図ることを目的としています。
(目的)
第1条 この条例は、四万十町(以下「町」という。)が保有する債権の管理等に関する事務処理について必要な事項を定めることにより、町の債権の管理の適正を期することを目的とする。
2)用語の定義【第2条関係】
この条例で使用する重要な用語の意義を明らかにするために設けています。
○ 第1号の「町が保有する債権」とは、町税(国民健康保険税を含む。)以外の給付を目的とする町の債権とします。
○ 町税以外の町の債権については、地方自治法第231条の3第3項に規定されている分担金、使用料、加入金などの地方税の滞納処分の例により処分することのできる債権や第240条に規定されている私的債権も含まれます。
○ 第3号の「その他公法上の債権及び私法上の債権」とは、第2号以外の町が保有する債権で自力で滞納処分できない公債権と私債権のことをいいます。
○ 第4号の「町が保有する債権の管理等に関する事務処理」とは、保全、取立て、内容の変更、消滅など法令等に定められて行う一連の滞納整理事務のことをいいます。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 町が保有する債権 町税(国民健康保険税を含む。)以外の金銭の給付を目的とする町の権利をいう。
(2) その他公法上の債権及び私法上の債権 町が保有する債権で、地方自治法(昭和22年法律第67号)第231条の3第3項に規定する歳入に係る債権及び同法第240条第4項各号に掲げる債権を除く債権をいう。
(3) 町が保有する債権の管理等に関する事務処理 町が保有する債権について、債権者として行うべき保全、取立て、内容の変更及び消滅に関する事務をいう。
3)事務処理の基準【第3条関係】
町が保有する債権についての事務処理は、法令、他の条例又は規則に特別の定めがある場合を除き、この条例に基づいて行います。
この条例の運用にあたっては、納付遅滞の債務者に対して、納付交渉を的確に行い、自主的な納付を促すとともに、町が保有する債権が最大限に保全され、その納付が実現されるように事務処理を行わなければならないこととしています。
(事務処理の基準)
第3条 町が保有する債権の管理等に関する事務処理については、法令又は他の条例若しくは規則に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
2 この条例の運用に当たっては、納付遅滞の債務者に対する納付交渉を的確に行い、自主的な納付を督励するとともに、町が保有する債権が最大限に保全され、その納付が実現されるように配慮されなければならない。
4)納付の告知及び督促【第4条関係】
町が保有する債権として発生した納付金の請求については、文書により債務者に対して告知しなければならないことを規定しています。
また、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定して督促を行なわなければならないことを規定しています。
○ 督促については、原則として履行期限後20日以内に文書で行うこととしています。
(納付の告知及び督促)
第4条 町長は、町が保有する債権として発生した納付金の請求を、文書により債務者に対して告知しなければならない。
2 町長は、町が保有する債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。
5)台帳の整備【第5条関係】
当然のことではありますが、町が保有する債権を適正に管理するため、台帳を整備することを規定しています。
台帳の具体的記載事項は規則で定めることとしてます。
(台帳の整備)
第5条 町長は、町が保有する債権を適正に管理するため台帳(電子的方式、磁気的方式等人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録を含む。)を整備するものとし、その内容については、町長が別に定める。
6)情報の相互利用【第6条関係】
町が保有する債権に係る納付金について、納付遅滞となった債務者が同時に町税を滞納している場合には、その債務者に係る情報を相互に利用することとしています。
(滞納者情報の相互利用)
第6条 町が保有する債権に係る納付金について納付遅滞となった債務者が同時に町税を滞納している場合においては、その債務者に係る事務相互に、町税に関する情報を利用し、又は町税に関する情報に利用することができる。
第2章 国税又は地方税の滞納処分の例により徴収する債権
7)法令準拠【第7条関係】
強制徴収公債権(町において滞納処分ができる債権)について、地方税法、国税徴収法その他の法令の規定の例に従って的確に管理しなければならないことを規定しています。
○ 強制徴収公債権とは ⇒ 保育所保育料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、下水道使用料などです。
(地方税法等の法令準拠)
第7条 町長は、国税又は地方税の滞納処分の例により徴収する債権(以下「町税に準じる債権」という。)について、地方税法(昭和25年法律第226号)、国税徴収法(昭和34年法律第147号)その他の法令の規定の例に従って的確に管理しなければならない。
8)調査権の行使【第8条関係】
強制徴収公債権(町において滞納処分ができる債権)に係る納付金が納付遅滞となり、督促をしても期限までに納付がないときは、遅滞なく、国税徴収法の規定又は地方税法の規定に従って、その債務者についての実情、財産状況等の調査を行なわなければならないことを規定しています。
調査を実施する権限を有する職員は、規則に定める税外収入金滞納処分職員証を携行し、関係者から求めがあったときは、速やかに提示しなければなりません。
○ 徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類を検査することができます。(国税徴収法141条、地方税法第20条の11)
(調査権の行使)
第8条 町長は、町税に準じる債権に係る納付金が納付遅滞となったため督促を行い、指定した期限までに納付がないときは、遅滞なく、地方税法により例によることとされている国税徴収法第141条の規定又は地方税法第20条の11の規定の例により、その債務者についての実情、財産状況等の調査を行わなければならない。
2 前項の調査を実施する権限を有する職員は、税外収入金滞納処分職員証を携行し、関係者から求めがあったときは、速やかに提示しなければならない。
第3章 その他公法上の債権及び私法上の債権
○ その他公法上の債権及び私法上の債権については、地方自治法施行令171条の2~171条の7に債権が履行されない場合の取り扱いが規定されており、本章においては、その条文を引用し、地方自治法施行令の規定に基づいて強制執行・徴収停止・履行延期・免除等、その他公法上の債権及び私法上の債権に関する管理等について規定しています。
また、第15条においては、債権放棄について規定しており、私法上の債権は、事項が成立しても時効の援用が必要であり、援用なしに債権放棄をする場合は、地方自治法第96条第1項第10号に基づく議決事件とされておりますが、同規定の「条例に特別の定めがある場合は、その債権放棄に係る議決事件は除外しているという解釈」に基づき、本条例に限定的な債権放棄の規定を定め、個別事例ごとに議決を得なくても債権放棄を可能とさせていただくというものです。
※ 時効の援用 ⇒ 時効期間が経過したことにより、債務が消滅したことを債務者が主張することです。これにより確定的に債務が消滅します。
9)強制執行等【第9条関係】
地方自治法施行令171条の2の規定に基づき、非強制徴収公債権及び私債権(町において滞納処分ができない債権)については、督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次の措置をとることとしています。
ただし、徴収停止又は履行期限を延長する場合、その他町長が特別の事情があると認める場合は行いません。
(1) 担保権の実行
(2) 強制執行
(3) 訴訟手続等による履行の請求
※担保権の実行 ⇒ 担保の提供されている債権又は保証人の保証がある債権については、当該債権の内容に従って、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権実行の手続をとり、又は保証人に対して請求すること。
※強制執行 ⇒ 債務名義のある債権について強制執行の手続をとること。
※訴訟手続等による履行の請求 ⇒ 訴訟手続又は非訟事件の手続により履行を請求すること。
※徴収停止又は履行期限を延長 ⇒ 地方自治法施行令第171条の5に規定する徴収停止又は同令171条の6に規定する履行延期の特約がされている場合及び特別な事情がある場合、このうち「徴収停止」とは、法人が事業を休止したり、債務者が所在不明になった場合等当該債権の保全や取立てをしないもの。「履行期限の延長」とは、債務者が生活困窮等の理由により履行期限を延長するもの。なお、特別な事情がある場合とは、「徴収停止」や「履行期限の延長」などに該当すると考えられるときや可能性があり話し合いを継続している場合等です。
※ 債務名義とは ⇒ 強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書のことです。
○ 第2項では、履行請求に係る訴訟手続きについては議会の議決が必要なことから、滞納対策の円滑な運用を図るため、1件につき100万円未満の町の私債権等については、訴訟手続により履行を請求する場合において、地方自治法180条第1項の規定に基づく町長の専決事項としようとするものです。(民事訴訟法395条)
○ 強制執行等の手続は、その方法を理解すればそれほど難しいものではありません。費用のかかる弁護士に依頼することなく、職員が首長の指定代理人として訴訟手続を行うことができる組織体制を整え人材を育成しておくことができれば、滞納処分できない私債権等についても適正な未収金の整理をしていくことができます。
(強制執行等)
第9条 町長は、その他公法上の債権及び私法上の債権(以下「私債権等」という。)について、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第171条又は四万十町督促手数料及び延滞金徴収条例(平成18年四万十町条例第58号)の規定による督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第12条の規定により徴収停止の措置をとる場合又は第13条の規定により履行期限を延長する場合その他町長が特別の事情があると認める場合は、この限りでない。
(1) 担保の付されている私債権等(保証人の保証がある私債権等を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
(2) 債務名義のある私債権等(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。
(3) 前2号に該当しない私債権等(第1号に該当する私債権等で同号の措置をとってもなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。
2 私債権等(1件(各科目ごと)につき100万円未満のものに限る。)について、訴訟手続により履行を請求する場合において、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第395条の規定により支払督促の申立てが訴えの提起とみなされるときは、地方自治法第180条第1項の規定によりこれを専決処分することができるものとする。
10)履行期限の繰上げ【第10条関係】
町の私債権等について、履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をします。ただし、債権について履行期限を延長する特約又は処分をすることができる事由がある場合その他特に支障があると認める場合には、履行期限の繰上げの措置をとることはできません。(地方自治法施行令171条の3、171条の6)
○ 履行期限の繰上げについては、履行期限の繰上げで請求しないと債権の確保が困難であると認められる理由が生じたときに、履行期限を繰上げて請求することを認めるものです。
○ 履行期限を繰上げて請求することができる事由(民法137条)
(1)債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
(2)債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
(3)債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
(履行期限の繰上げ)
第10条 町長は、私債権等について履行期限を繰り上げることができる。
2 町長は、前項の繰り上げが必要であると判断したときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第13条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
11)債権の申出等【第11条関係】
地方自治法施行令171条の4第1項の規定に基づき、町の私債権等について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知ったときは、直ちに、配当の要求その他債権の申出のための措置をとります。
○ 債権の申出は、債務者が強制執行を受けた場合(民事執行法51条、105条、154条)、債務者の財産について担保権の実行としての競売手続の開始の決定があった場合(民事執行法188条)、債務者が破産手続開始の決定を受けた場合(破産法111条)等に行います。
○ 町の私債権等を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとります(地方自治法施行令171条の4第2項)。
○ 債権を保全するため必要があると認めるときは、債権の履行がされないまま放置しておくと、債権の保全ができなくなる恐れがある場合をいいます。
○ 仮差押えや仮処分は、町が後にその債務者に対して強制執行の手続をとるために、その債務者の財産が譲渡されたり隠されたりすることがないようにするために、民事保全法に基づいてあらかじめその債務者の財産を保全するための措置として行われます。
○ 仮差押えは本差押えではなく仮の差押えであるが、後に本差押えをしたときに、その本差押えは仮差押えした時点に遡って本差押えをしたことになるという効力が発生します。
○ 仮処分は、債権者からの申立てにより、金銭債権以外の債権を保全するために裁判所が決定する暫定的措置です。係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分の2つがあります。係争物に対する仮処分は現状の変更によりその請求権の執行不能あるいは執行困難が生ずるおそれのある場合に、現状を固定する処分をいいます。例えば、公営住宅の明渡請求保全のための占有移転禁止の仮処分などがあります。
(債権の申出等)
第11条 町長は、私債権等について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により町が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、町長は、私債権等を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
12)徴収の停止【第12条関係】
地方自治法施行令171条の5の規定に基づき、町の私債権等で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、債権を徴収することができない場合等に、以後その保全及び取立てをしないこととしています。(地方自治法施行令171条の5)。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるとき。
(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
○ 徴収停止措置は、債務者の自発的な履行があれば弁済を受領することができるし、徴収停止措置をとった後に債務者の経済状況が好転したときは、その措置を取り消さなければなりません。
※ 徴収停止の事由に該当すると判断して、以後その債権の保全及び取立てをしないことにした場合には、債権はいずれ時効期間が満了する時を迎えることになります。しかし、私債権においては、時効期間が満了しても債務者の時効の援用、債務の免除、政令又は条例に特別の定めがある場合、あるいは議会の議決がないと債権は消滅しません。
(徴収停止)
第12条 町長は、私債権等で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるとき。
(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
13)履行延期の特約又は処分【第13条関係】
地方自治法施行令171条の6第1項の規定に基づき、町の私債権等について、次の事由のいずれかに該当する場合においては、その履行期限の延長を認めることができます。また、この場合において、その債権の金額を適宜分割して分割納付することができます。
○ 債務者が各号の事由に該当するときは、履行期限までに履行することが困難です。そこで、その債権の履行期限を延長し、その延長された期限までに債権の履行を求めようとするものです。
○ 債権の金額を適宜分割して履行期限を定めるとは、債権の金額を分割し、分割した金額ごとの履行期限を定めて何回かに分けて履行することをいいます。
○ 履行期限を延長して分割納付を認めた場合においても、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金に係る債権は、徴収しなければなりません。(地方自治法施行令171条の6第2項)
(履行延期の特約又は処分)
第13条 町長は、私債権等について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る私債権等について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
(5) 貸付金に係る私債権等について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。
2 町長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る私債権等は、徴収すべきものとする。
14)債権の免除【第14条関係】
債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため、前条の規定に基づき履行延長を認めた私債権等について、当初の履行期限から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、その債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができます。(地方自治法施行令171条の7第1項)
○ 前項の免除は、前条第1項第5号に掲げる理由により、履行延長をした貸付金に係る債権で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいてその履行延長をしたものについても準用する。この場合における免除については、債務者がその第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければなりません。(地方自治法施行令171条の7第2項)
(免除)
第14条 町長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした私債権等について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
2 前項の規定は、前条第1項第5号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係る私債権等で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。
15)債権の放棄【第15条関係】
債務者が著しい困窮状態であるとき、破産等で免責を受けたとき、債務が消滅時効にかかったときのほか、強制執行等の措置を講じても履行される見込みがないとき、債務者が死亡、行方不明などの場合等、事実上、債務の履行が不可能なときは、当該債権を放棄できるものとします。
ただし、町の債権は町の財産であることから、安易な放棄は行わないものとします。
※ 著しい生活困窮状態 ⇒ 生活保護を受けている、またはそれに準じる状態にある等、生活困窮状態にあり、法的処分を申し立てることが社会通念上過酷であると考えられる場合です。(参考:日本国憲法25条第1項(生存権))
※ 法令の規定により債務者が債権について責任を免れたとき ⇒ 破産等により免責が確定した場合です。
※ 消滅時効に係る時効期間が経過したとき ⇒ 非強制徴収公債権は、地方自治法236条の規定により、時効期間は5年であり、時効の援用を必要とせず債権が消滅してしまいますが、私債権は債権の種類により時効期間が1年から10年までに分かれており、更に、時効の援用等がないと債権は消滅しないため、債権債務の関係がいつまでたっても不確定なままとなってしまいます。このような不確定な状態が長期に継続してしまうことは、町の債権の管理上、好ましい状態ではありません。このため、私債権については、債務者が所在不明であるなど、債務者から「時効が成立している」との意思表示が得られない場合等にあっては、債務者の時効の援用の申立てを要することなく、消滅時効に係る期間が経過した時点で債権の放棄をすることができることとします。
※ 時効の援用 ⇒ 時効期間が経過したことにより、債務が消滅したことを債務者が主張することです。これにより確定的に債務が消滅します。
○ 私債権については地方自治法第96条第1項第10号の規定により、法令や条例に特別の定めがある場合を除くほか議会の議決が必要となっています。このため、本条各号に該当する理由により消滅時効が到来した債権については、この規定に基づき権利放棄をできることにするものです。
国の債権については、国の債権の管理等に関する法律施行令の規定に基づき、債権管理事務取扱規則(第30条)で権利放棄を定めています。また、先進的に債権の適正管理に取り組んでいる多数の市町村で、この条文を定めて債権放棄を実施しています。
○ 第6号に規定する「相当の期間」とは、1年以上としています。
(放棄)
第15条 町長は、私債権等について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を放棄することができる。
(1) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受け、又はこれに準じる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、履行される見込みがないと認められるとき。
(2) 破産法(平成16年法律第75号)その他の法令の規定により債務者が当該債権につきその責任を免れたとき。
(3) 当該債権について、消滅時効に係る時効期間が経過したとき(私法上の債権の消滅時効に係る時効期間が経過した場合において、債務者が当該債権についての支払の意思を示し、若しくは支払を行ったとき又は債務者が時効の援用をしない特別の理由があるときを除く。)。
(4) 当該債権について、第9条ただし書に規定する町長が特別の事情があると認める場合において、同条に規定する強制執行等の措置をとったとしても履行される見込みがなく、かつ、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、履行される見込みがないと認められるとき。
(5) 第9条に規定する強制執行等又は第11条に規定する債権の申出等の措置をとっても、なお完全に履行されない当該債権について、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、履行される見込みがないと認められるとき。
(6) 第12条の規定により徴収停止の措置をとった当該債権について、徴収停止の措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、履行される見込みがないと認められるとき。
(7) 債務者の死亡、所在不明その他これらに準ずる事情があり、当該債権について徴収の見込みがないと認められるとき。
(8) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をしたときの費用及び当該債権に優先して町が弁済を受ける債権の金額の合計を超えないと見込まれるとき。
(9) 当該債権の存在につき法律上の争いをした場合に、勝訴の見込みがないと認められるとき。
第4章 雑則
16)相殺等【第16条関係】
町の私債権等について、当該債権を相殺又は充当することができる債務があるときは、遅滞なく、相殺又は充当することを規定しています。
(相殺等)
第16条 町長は、私債権等について、法令の規定により当該債権を相殺し、又はこれに充当することができる債務があることを知ったときは、遅滞なく、相殺又は充当の手続をとらなければならない。
17)委任【第17条関係】
この条例の施行にあたり、必要な事項については、規則で別に定めます。
(委任)
第17条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
◆税外債権に係る未収金への取組みについて
町の税外債権の滞納整理における現状と課題
昨今の厳しい財政状況下においては、本町においても歳入の一層の確保を図ることが重要な課題となっています。
未収金の解消に向けては、第一次行財政改革実施計画に基づき、町税等収納確保対策の強化に取り組むため、平成19年度に町税等滞納整理本部を設置、検討協議しながら平成19年10月に「四万十町町税及び貸付金、使用料等滞納整理事務基準」を制定し、各課において鋭意取り組んできました。しかしながら、平成22年度決算における議会決算特別委員会の審査意見のとおり、総額規模は依然としてほとんど減少しない状況にあり、更なる対応が必要となっています。また、それぞれの未収金において、徴収根拠や法令上の債権性格が異なるため、連携した対応がとられてこなかったこともあり長期固定化の傾向にあります。
滞納整理の目的は、期限内に納付義務や履行義務が果たされていない各種の債権の徴収を確保し、また、納付義務や履行義務を果たしている者と果たしていない者との間の公平を図ることにあります。したがって、歳入の確保と町民負担の公平性から考えると、このような状況をいつまでも放置できないことから、早急に未収金の管理が適正かつ合理的、効率的に行われる体制と環境を整備し、全体の未収金規模を減少傾向に転化させ、各未収金において実際に解消することが喫緊の課題となっている。
税外債権の収納については、その収納業務そのものが必ずしも各担当課所の中心的業務ではないものが多く、占める業務比率も一様ではないため、未収金の解消に対する時間・労力等の「量的」な側面において十分な体制をもってあたれていない現状にあります。また、「質的」側面においても、各担当課所において「なすべきこと」に対する法的な知識や理解が必ずしも十分とは言えず、全般的に「未収金の発生」に対して「回収」に努めてはいるものの、債権の「保全」や「処分」については十分な検討がなされていない現状にあります。
また一方では、回収が見込めない債権を管理する不合理や、漫然と放置する不適切も課題視すべきであり、未収金の解消に向けては、平成22年度決算における「四万十町議会決算特別委員会」における審査報告書においても「全課一丸となり収納率の向上に取り組むこと」と意見されており、公金である性質上でき得る限りの労力を傾けて回収に努めるべきことは言うまでもありません。
今後においては、効率的かつ適切な債権管理、回収及び処分に取り組むため、関係例規の整備を行い、組織体制の見直しに向けて取組む必要があります。
税外債権未収金に対するこれまでの対応と今後の方針
(1)横の連携強化
大口事案や困難事案等については、関係各課所と連携して対処したほうが効果的であり、関係各課所の横の連携を強化する必要があります。「滞納整理本部」の強化と滞納整理本部の下に担当者レベルの「作業部会」を新設する規程の改正を行いました。
(1) 「四万十町町税、貸付金及び使用料等滞納整理本部設置規程」の改正【H23.8.15改正済み】
(2)税外債権の管理
税外債権の管理については、組織体制を整備するとともに、効率的かつ適切な債権管理と事務処理ができるよう全庁的に統一した例規を整備します。
また、訴訟手続等により町の私債権等の履行を請求する場合は、速やかに対処できるよう、専決処分事項規定の改正を要請します。
(1) 税外債権の管理について、滞納処分や強制執行等ができる組織体制の整備
(2) 税外債権の管理についての「四万十町債権の管理等に関する条例」及び「四万十町債権の管理等に関する条例施行規則」を制定
(3) 「地方自治法第180条第1項に基づく四万十町長の専決処分事項」の改正
(3)初期滞納者対策
税外債権の未収金については、初期の定期的な対応が十分な体制をもってあたれていない課所が多いため、初期滞納者対策のひとつとして、自主納付を促すため税務課に配置されている「町税等徴収嘱託員」2名を税外債権の収納にも活用します。
(1) 「四万十町町税等徴収嘱託員設置に関する規則」の改正【H23.4.1改正済】
(2) 関係各課所から町税等徴収嘱託員への収納依頼による対応【H23.4.1改正済】
(4)国税又は地方税の滞納処分の例により徴収できる公債権(類型2)の収納対策
保育所保育料や介護保険料など税金の扱いに準じて滞納処分ができる公債権については、税務課納税グループと連携して滞納処分を実施します。
(1) 「税外収入金滞納処分職員証」を町長から類型2担当者と税務課納税グループ担当者に交付
(2) 関係各課所の担当者と税務課納税グループ担当者との連携による対応
(5)その他公法上の債権(類型3)と私法上の債権(類型4)の収納対策
滞納処分ができないその他の公債権と私債権については、「私債権等担当職員」を税務課に配置し、裁判所を介しての強制執行・徴収停止等ができる体制を整備します。
(1) 「私債権等担当職員」を税務課に配置
(2) 「税外収入金強制執行職員証」を町長から私債権等担当職員に交付
(3) 関係各課所の担当者と私債権等担当者との連携による対応
(6)債権の収納管理
関係各課所がそれぞれ担当している債権の収納については、今までどおり担当各課所が責任を持って収納管理し、対処します。
※参考資料 四万十町における金銭債権の分類
町の金銭債権を大きく分類すると、「税金」と「税外債権」の2種類に分類することができます。また、税外債権は、「滞納処分できる公債権」と「滞納処分できない債権」に分類することができます。更に、滞納処分できない債権は、「許可、認可等行政処分的な要素を介し、これに伴い発生すると解される債権で、法律で定めのない使用料や手数料などの公法上の債権(その他公法上の債権)」と「私法上の債権」に分類することができます。
※ 町が徴収する滞納処分ができる主な徴収金
主な金銭債権名 債権区分 滞納処分根拠法
町税 地方税(強制徴収公債権) 地方税法331条、373条、459条等
国民健康保険税 地方税(強制徴収公債権) 地方税法728条
後期高齢者医療保険料 公課(強制徴収公債権) 地方自治法231条の3第3項
高齢者の医療の確保に関する法律113条
介護保険料 公課(強制徴収公債権) 地方自治法231条の3第3項
介護保険法144条
下水道使用料 公課(強制徴収公債権) 地方自治法231条の3第3項
地方自治法附則6条3号
保育所保育料 公課(強制徴収公債権) 児童福祉法56条10項
土地改良法の土地改良の賦課金等 公課(強制徴収公債権) 土地改良法39条4項
※ 町が徴収する滞納処分ができない主な徴収金(強制執行の手続が必要)
主な金銭債権名 債権区分 主な金銭債権名 債権区分
学童保育料 非強制徴収公債権 町営住宅使用料 私債権
幼稚園保育料 非強制徴収公債権 水道使用料 私債権
農業集落排水施設使用料 非強制徴収公債権 診療所診療費 私債権
体育館等の公の施設使用料 非強制徴収公債権 学校給食費 私債権
ケーブルテレビの情報施設の使用料 非強制徴収公債権 住宅取得のための貸付金 私債権
奨学資金貸付金 私債権
生活資金等の貸付金 私債権
※ 町の金銭債権の類型別分類表
分類
普 通 地 方 公 共 団 体 の 債 権
類型1(公債権(1)) 類型2(公債権(2)) 類型3(公債権(3)) 類型4(私債権)
公法上の債権 私法上の債権
※地方自治法第240条(債権管理)の規定が適用
強制徴収(滞納処分)ができる[強制徴収公債権] 強制徴収(滞納処分)ができず、強制執行が必要
地方税 ・分担金、過料、加入金
・法律で定める使用料、手数料等 法律で定めのない使用料、手数料等 財産収入、貸付金等
督促 地方税法の規定による 地方自治法第231条の3第1項 地方自治法施行令第171条
督促手数料 地方自治法第231条の3第2項 -
延滞金 地方自治法第231条の3第2項 -
違約金 - 契約による
滞納処分 地方税法の規定による ・地方自治法第231条の3第3項
・その他個別法の規
定 -
強制執行等 - 地方自治法施行令第171条の2
消滅時効 原則5年(時効の援用は不要) 民法167条~174条の2
原則10年(短期消滅時効が適用される債権も多数あり)
※時効の援用が必要
地方税法の規定による ・地方自治法第236条第1項
・その他個別法の規定(※5年未満の債権もあり) 地方自治法236条第1項
四万十町
具体事例 ・町税
・国民健康保険税 ・保育所保育料
・後期高齢者医療保険料
・介護保険料
・下水道使用料
・土地改良の賦課金
等 ・農業集落排水施設使用料
・ケーブルテレビ使用料
・幼稚園保育料
・学童保育料
・体育館使用料 ・水道使用料
・町営住宅使用料
・住宅取得のための貸付金
・診療所診療費
・学校給食費
・奨学資金貸付金
・生活資金等貸付金
類型1(公債権(1))・・・地方税法に基づき、「滞納処分」ができる債権。法的性格は「強制徴収公債権」。
類型2(公債権(2))・・・地方自治法又はその他の個別根拠法により、国税又は地方税の滞納処分の例により徴収できる債権。法的性格は「強制徴収公債権」。
類型3(公債権(3))・・・許可、認可等行政処分的な要素を介し、これに伴い発生すると解される債権。「滞納処分」はできない。法的性格は「非強制徴収公債権」。
類型4(私債権)・・・・契約等の対等な私人関係において発生する債権と解されるもので、民法等の私法適用となる債権。「滞納処分」はできない。法的性格は「私債権」。
○添付ファイル1
10_【議案資料】議案第24号 四万十町債権の管理等... (PDFファイル 402KB)